工作機械、切削工具
市場規模は約1.5兆円。国際競争力が高く、堅調に外需を中心に市場拡大。
業界の概要
工作機械は、日本工業規格(JIS)では「主として金属の工作物を、切削、研削などによって、又は電気、その他のエネルギーを利用して不要な部分を取り除き、所要の形状に作り上げる機械。ただし、 使用中機械を手で保持したり、マグネットスタンド等によって固定するものを除く。狭義であることを特に強調するときには、金属切削工作機械ということもある。」と定義されており、また「機械を作る機械」「マザーマシン(母なる機械)」などともいわれている。
需要先の設備投資動向に大きく左右される業界ではあるが、外需を中心に市場は伸びており、2014年度は約1.5兆円(内需:約0.5兆円、外需:約1兆円)となっている。日本製品は国際競争力が高い。2015年も海外の旺盛な設備投資に比例して市場全体は堅調に拡大していくものと思われる。
切削工具は、工作機械と同様に需要先の設備投資動向に大きく左右される傾向にあるが、消耗品であることもあり定期的なメンテナンス需要・買い替え需要がある。切削工具の2015年市場も東南アジアを中心とした旺盛な外需に支えられて、市場は好調が続くと予想される。内需においても、企業収益の改善から今後設備投資需要の増加が見込まれる。
工作機械業界の統計データ(内需、外需、販売)
(出典:一般社団法人 日本工作機械工業会)
M&A状況
日本の工作機械、切削工具は高い国際競争力と技術を有しており、円安局面においては海外メーカーによる日本の工作機械メーカーや切削工具メーカーなどに対するM&Aが今後多く見受けらる可能性がある。なお近年の国内企業同士によるM&Aでは、2015年4月にDMG森精機が、㈱アマダマシンツールの旋盤事業を譲り受けた。
主要企業(主に上場企業のみ)
- 【 工作機械 】
- ・ジェイテクト 売上高176,849百万円(2015年3月期:工作機械事業のみ)
- ・DMG森精機 売上高174,660百万円(2015年3月期:連結)
- ・オークマ 売上高166,230百万円(2015年3月期:連結)
- ・牧野フライス製作所 売上高149,506百万円(2015年3月期:連結)
- ・ソディック 売上高 63,090百万円(2015年3月期:連結)
- 【 切削機械 】
- ・住友電気工業 売上高317,360百万円(2015年3月期:産業素材関連事業他のみ)
- ・三菱マテリアル 売上高145,898百万円(2015年3月期:加工事業のみ)
- ・日立工機 売上高133,416百万円(2015年3月期:電動工具事業のみ)
- ・オーエスジー 売上高101,031百万円(2014年11月期:連結)
- ・不二越 売上高 74,859百万円(2014年11月期:機械工具事業のみ)
関連法規
- ・CE(Community European)マーク規制
- (欧州のEU企画。当該マークがない機械・家電は欧州で販売できない。)
- ・ワッセナー協約
- (正式名称:通常兵器及び関連汎用品・技術の輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント。通常兵器、それに転用可能な部品・技術を防止する紳士協定。)