学習塾、英会話教室などの外国語教室

「学習塾」市場はほぼ横ばい。英会話教室等の「外国語会話教室」は持ち直しつつある。

業界の概要

教育サービス業界は、大きく「学習塾」「外国語会話教室」の2つに分けられます。

「学習塾」

少子化による市場縮小という厳しい環境に加え、生徒・親が求める教育サービス水準が高く、業界内の競争は激しさをましています。その少子化により「大学全入時代」とも言われ、予備校を運営する企業は受講生の争奪が激化している状況です。このように「学習塾」市場は、競争が激しいことから、今まで以上に、規模に関係なくM&Aや業務提携、資本提携などが活発になると予想されます。今後は、海外市場への展開、社会人等の成人向け学習サービスの拡充など、これまでとは違ったマーケットへの対応がポイントになると予想されます。

「外国語会話教室」

1990年代初頭から、英会話を中心に大きな市場成長を見せました。それに伴い競争も激化し事業者の淘汰も相次ぎました。また大手2社(2007年NOVA、2010年ジオス)の倒産により、一旦業界に対する不信感は強くなるものの、現在の市場は持ち直しつつあります。今後は政府の英会話に対する教育の各種施策実施、企業のグローバル展開対応への研修等により、英語を中心に様々な言語への需要をいかに取り込めるかがポイントになると予想されます。

そして近年では、インターネットを通じた教育サービスを提供する新規事業者も増加しており、ITを通じた市場拡大や、「教育資金贈与を非課税対象とする時限措置」による、祖父母から孫に対する教育サービスへの消費拡大も期待されます。一方で、2014年7月に発生したベネッセコーポレーションの大規模個人情報漏えい事故が発生したことを契機に、業界全体の個人情報に対する管理体制の強化も強く要求されています。

 

学習塾市場(国内)の売上高推移

学習塾

外国語教室(英会話教室等)の売上高推移

英会話教室

出典:特定サービス産業動態統計調査

学習塾業界のM&A状況

2015年8月1日には、通信教育講座で有名な「Z会」の増進会出版社が、大手の栄光ホールディングスへのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表し完全子会社にすると発表した。

学習塾の主要企業

  • ・ベネッセホールディングス   連結売上高463,264百万円(2015年3月期)(うち国内教育事業の売上高239,186百万円)
  • ・日本公文教育研究会(公文式) 連結売上高90,456百万円(2015年3月期)
  • ・栄光ホールディングス     連結売上高42,413百万円(2015年3月期)(うち教育事業の売上高34,062百万円)
  • ・ナガセ(東進ハイスクール)  連結売上高41,574百万円(2015年3月期)(うち教育事業の売上高33,966百万円)
  • ・早稲田アカデミー       連結売上高19,443百万円(2015年3月期)

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